SNSのあしあと | ザッツ!談

SNSのあしあと

人気SNSの「ストーカー的」新機能にユーザーが猛反発
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0609/08/news078.html


もし、私が詐欺師なら
SNSやブログはすばらしいツールだと賞賛するだろう。


詐欺師の腕の見せ所は情報収集力。
騙す相手は誰でもいいわけではない。
捕まるかもしれないリスクがあるのだから慎重に選ばなければならない。
安全で最大の成果を得られる相手を選ぶのだ。


そのために情報を集め、評価し、判断する。それは外見や行動から得ることもあるし、噂話や、資料などから手に入れることもある。しかしどの方法も熟練の経験が必要で、そのうえ情報を手に入れてから仕掛けるのだから時間がかかる。時間はリスクだ。いかに短時間で終わらせるかが勝負だ。


そこでSNSやブログといった個人情報全開のツールは革命的なツールだった。詐欺のヒット率を高めることができる素敵なツール。アルマーニのスーツを着てホテルのラウンジできどって話しをしなくてもラブホで体力使わなくても、役場や勤務先で情報を聞き出さなくてもいい。自宅でカップ麺食べながらジャージのままで情報を仕入れ、詐欺の準備を同時に何十人に対しても仕込める。危険だからと名前や住所をネットで公開する人は少ないだろう。でも、プロフィールに本名や住所・所属組織のことが書いてなくても構わない。むしろ重要な情報は書いてないからという安心感は都合がいい。重要なのはそこではなく行動パターンや思考・性格に関する周囲の情報なのだ。


SNSは招待制のサービスだから意味のない安心感を作ってくれる。自分で自分を自分から自分に何人にもなって招待すればいいだけ。さらに途中の招待者が何人か退会すれば繋がりはカモに対しては隠せる。招待制の安心感は意味がない。そもそも最初の登録だってIT系のセミナーに顔を出して誰かに招待してよと言えば気のいい誰かが招待してくれる。そいつは自分の名前を知りもしないのに。


そして私はSNSでコミュニティをいくつか立てる。
例えばこんな名前のコミュを立ててみる(実在しません)。
「30代結婚しないOLライフ」
「シングルライフ.net」



結婚しないことを肯定し、躓きや悩みを打ち明けみんなで解決していくためのコミュニティ。中身を説明なくてもタイトルだけで参加者は集まる。参加するときに、参加することが既にプライバシーを公開しているとは誰も考えない。ネットだから難しく考えない。招待制だし。名前も公開してないし。自分だけは大丈夫だからと。


コミュニティ参加者のプロフィールページと日記をチェックする。日記の書き込み量の多いほど、毎日書くほど情報が取れる。今までは言葉巧みに聞き出さなければいけなかったこと、足で調べていたことを簡単に知ることができる。尾行をしなくてもその日の行動が細かく書かれている。特に気が緩むのは他人の日記への書き込みのときだ、自分のエリアじゃないからつい余計な情報を出してしまいがちになる。コミュニティでも同様だ。


SNSやブログから興味のあること、お気に入りの店、趣味、友人関係、考え方、嫌いなこと、好きなこと、気分のいいとき、わるいとき。カレンダーをクリックすれば誕生日も一覧でわかる。ソーシャルブックマークの機能を使って簡単に趣味や行動パターンを見つけることだってできる。よく使うタグはより便利に欲しい情報へ案内してくれる。


公開している写真からも情報は取れる。自分の写っている写真がなくても、友人や周囲の景色、店の名前から行動範囲がわかる。何度も出てくる友人や家族はもっと危険にさらされている。しかもアルバム機能まであるから調べるのは楽だ。繋がる友人達のアルバムと組合せば本人の写真なんてすぐに出てくる。


SNSは招待制だから繋がる他の人(職場の同僚か、同級生かといったことや関係まで丁寧に書いてある。)はもっと利用できる。「誕生日に驚かせたいから内緒にしておいて欲しい。」といえばなんでも聞きだせる。本人の日記には度々コメントを載せて関係を作ってあるから友人達も不信に思わない。(不信に思わないことのほうがおかしい)


好きなことで同調するより、嫌なこと、悪い話しで同調すると短期間で信頼を得ることができる。この手のサービスは傷をなめあうぬるいコメントに溢れているから少し厳しいコメントのほうが信頼を感じるのだ。


職場の上司がいやな奴でこんなことがあったと日記に書いてあれば、大半は無責任に擁護するコメントが並ぶ。そこへ自分も同じような経験がある。でも自分にも問題があるとは思わないかと否定したコメントを書き込む。相手の注目はそのコメントだけに集中する。そこからやりとりが始り解決に向かうことで信頼は高まる。他のぬるいコメントを書く友人よりも大切なポジションに収まることができる。あとは、普通の詐欺手順でいけばいい。


バトンを流せばあっという間に情報が集まる。こっちの知りたい質問を大量の質問の中に埋め込めばいいだけ。繋がっているからどんどん情報は集まる。プロフィールにない項目や具体的な情報を知りたいときはバトンは便利なツール。アンケートを作れるサービスもある。


詐欺の進行状況を管理するのに便利なガンチャート機能があるSNSもあった。googleカレンダーで会う相手とのスケジュールを管理する。携帯からもアクセスできる。SNS、ブログは全くすばらしいツールだ。Web2.0万歳~!



ってそんな危機感ってないのかな。

自分が詐欺師なら新着日記見てるだけでワクワクすると思うけどな。
個人情報保護法もSSLも本人が個人情報まるだしにしてるんじゃ誰も何も守れない。